医療接遇&人材育成の教科書 香椎原病院様
その絶妙なバランスを支えているものはなんでしょうか。
看護師長それぞれの部門のトップ同士のコミュニケーションが密に取れているのが、うまくバランスが保たれている最大の理由だと思います。例えば、「研修をやりますよ。」と発信すれば、各部署にすぐに流れていって、それをみんなが受け入れてくれます。各部署の責任者同士の意思疎通ができているからこそ、それが末端の職員にまで浸透し、良好な関係と協力体制が保てているのだと思います。それぞれの部門間でのコミュニケーションを取りあうことで、うまくバランスが保たれていると思います。また、病院長がそれぞれの部門とのコミュニケーションを取るように心がけられているので、その点も大きいと思います。
院長先生のお人柄の良さが院内の雰囲気に表れているのではないですか。
看護師長そうですね。一般的には、病院の院長先生っていったらすごく敷居が高いというイメージですけど、うちの病院は全くそのような感じではありません。院長が病棟にいる時間も多いので、若い職員達とも十分にコミュニケーションが取れています。例えば院長からの指示に対してでも「いや、患者さんのことを考えると、今はこういう状況にした方が良いのではないでしょうか。」などというように、私たち現場の立場から、院長に対しても意見が言いやすく、そのような話にも耳を傾けてくれています。
統括部長医局は事務室と同じ部屋の中にありますから、時間があれば事務方に来て、冗談を言いながらコミュニケーションを取ったりしています。それと、院長はお年寄りの患者さんにものすごく評判が良いんですよ。丁寧な応対でじっくり話を聞いてくれる、というように。患者さんのご家庭のゴタゴタや悩みを聞いてあげたりするのがすごく上手なんですね。お年寄りは話を聞いてもらうとそれだけで症状が改善したりするんですよ。