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医療接遇&人材育成の教科書 看護師に求められる接遇のポイントと接遇力を高めることで得られるメリット

看護師は、小さなお子様からご年配の方々まで様々な年代の方と接する機会が多く、なおかつ身体だけでなく、心も弱っている方をケアすることも多い職種です。老若男女、幅広い世代の患者様から信頼を得るためだけでなく、自分たちの業務をスムーズに進め、患者様も看護師にとっても心地の良い関係性や空間を作るためにも「接遇」が鍵となります。

医療行為が最優先であることはもちろんですが、勤務する環境によって必要な接遇は異なります。医療行為と両立させるために、看護師にはどのような接遇が求められているのでしょうか。

「看護師に求められる接遇のポイント」「接遇とクレームの関係」「看護師の接遇を改善する方法」などについて詳しく解説をさせていただきます。

看護師に接遇が求められる理由

看護師は毎日多くの患者様と接します。診療科目によって違うと思いますが、「じっくり1時間もお話をする」ほど、患者様一人一人と接する時間があるわけではないと思います。そのため、「ゆっくり会話をすることで得られる信頼関係」がない場合には、「第一印象」の重要度が高まります。

「第一印象」は、その方の印象を左右する最も大きな要素ですが(※メラビアンの法則をご参照ください)、日々忙しい業務を行っていて、ゆっくり会話をする時間と余裕がない看護師の方だからこそ、まずは第一印象を良くしておくことが必要になるのではないでしょうか。

また、患者様だけでなく、患者様のご家族、さらにはチームで医療を提供する医師、コメディカル、看護助手など、一緒に協力して働く仲間も様々な職種の方がいるはずです。この仲間との信頼関係・スムーズなコミュニケーションを通してチーム医療を行うためにも「接遇」は欠かせないため、「患者様対応(=印象度アップ)」と「チーム医療(=スムーズな業務遂行)の2つの観点から、看護師に接遇が求められているのです。

看護師に求められる接遇のポイント

看護師に必要な接遇の基本

看護師が医療行為と接遇を両立させるためには、「第一印象」がとても大切な職種と言えます。その理由と、第一印象で求められる6つの項目ごとに必要な点をご紹介させていただきます。

① 挨拶

最初の挨拶次第で患者様の安心度は大きく変わります。カルテを見ながら、PCを見ながら等、「何かをしながら行う挨拶(=ながら挨拶)」をしていませんか?看護業務で忙しいとは思いますが、3秒だけでも患者様をきちんと見て挨拶をすると患者様が感じる印象が変わります。

また、接遇の取り組みが十分でない医療機関で共通することとして、廊下や通路ですれ違った際に、来院されている方に対して声に出して挨拶をする看護師が少ないという点があります。来院された患者様への挨拶が少ないと、病院としてその患者様をお迎えしているという空気が伝わらず、患者様への好感度に影響してきます。病院全体で見守っているという印象を与えるためにも、看護師として自分が関わっていない患者様にもきちんと挨拶をするとよいでしょう。

② 表情

患者様の容態などに合わせた表情をしないと患者様が「自分のことを分かってくれていない!」「事務的に扱われた!」と勘違いされ、場合によってはクレームにつながってしまう可能性があります。

たかが表情ひとつで何が変わるのだろうか、表情が患者様の印象度を左右することはないだろう、などと軽視せず、日々、自分がどのような表情をして患者様に接しているか客観視し、患者様の気持ちに寄り添った対応を心がけてみるとよいでしょう。

③ 立ち居振る舞い

一人ひとりの患者様に対しては、接する時間よりも接していない時間の方が多いと思います。
ですが、患者様は自分と接していない時ほど、看護師の働きぶりやその他の患者様への対応、同僚間・職種間のコミュニケーションや雰囲気などを観察しています。

特に、初めての医療機関では、患者様は「病気」に対する心配・不安を抱える一方で、患者としてどのような対応をされるか、また今後もこの医療機関を利用するべきか、敏感になって看護師の振る舞いを見ています。
自分が立てる音や物を渡す時の仕草など些細な行動であっても、その医療機関の看護師として「見られている」という意識を持ち、注意を払う必要があるでしょう。

④ 態度

患者様の患部ではなく、患者様の目を見てお話しすることを意識していますか?アイコンタクトを常に取り、患者様の反応を見ながら話すこと、看護行為をすることは非常に大事なことです。
また、ナースステーションでの看護師同士の何気ない私語も、意外と患者様は聞いていらっしゃいます。個人情報の取り扱いやコンプライアンスの観点からも、ナースステーションや通路での看護師や他スタッフとの何気ない会話にも気を付けましょう。

壁に寄りかかりながら話したりしていないか、肘をついたり悪い姿勢をしていないかなど、看護師としての業務を行っていない時間や場所での態度も見られています。

⑤ 話し方

看護師の方々は皆さまとても患者様との雑談が上手で、コミュニケーション上手だと感じます。それゆえに患者様との距離が近くなりすぎ、「馴れ馴れしい」と感じさせてしまう話し方をされる看護師の方をよく見かけます。状況に合わせた敬語を使うことで相手を尊重していることが伝わりますので、簡単なものからでも敬語を使った会話を行うことで、患者様やそのご家族の方が受ける印象が変わってくるでしょう。

⑥ 身だしなみ

医療人として「清潔感のある身だしなみ」は必須ですが、看護行為を通して患者様と直接接する機会が多い看護師は、より衛生面・清潔感が患者様からの信頼に直結するといっても過言ではないでしょう。

例えば、「おしゃれ」と「身だしなみ」を混同されている看護師の方がいらっしゃいますが、おしゃれは自分基準であり、プライベートでするものです。職場では、一社会人として、相手(患者様)を基準にした身だしなみを徹底しましょう。

以上が接遇の基本的なポイントであり、看護師だけに求められる要素ではありませんが、どんなに優れた看護スキルを持っていても、これらの接遇の基本的な点が基準に達していないと、それだけで患者様からの評価が下がることがありますので、看護のプロを目指すうえでも、まず基本的な接遇ポイントをきちんとおさえておきましょう。

接遇ができる看護師 接遇ができない看護師の違い

では、「接遇ができている看護師」「接遇ができていない看護師」にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を挙げて見ていきましょう。

接遇ができる看護師の特徴

接遇ができる看護師として、採血時の対応を例に挙げてみましょう。
初診で外来に来れられた患者様の採血を行う際に、「こんにちは。担当させていただく看護師の〇〇です」と目を見てきちんと挨拶をすることで、お互いに心の余裕が生まれ、患者様には「安心」を与えることができます。その結果、患者様の緊張感や採血に対する不安(痛いのが嫌い、血を見るのが好きではない、血管が細いなど)を和らげることができ、スムーズに採血を行うことができます。

接遇の要素として挙げると、

といった点になります。

接遇ができない看護師の特徴

一方で、接遇を意識していない看護師の対応を「病棟」のシーンを例に挙げてみましょう。
ノックもせずいきなり患者様の病室に入り、「〇〇さん、お熱いいですかー??」と看護行為を行われることがあります。入室時には挨拶を行い、面会者のご家族には「〇〇さんを担当させていただいております看護師の〇〇と申します」と自ら挨拶を行ったほうが、ご家族からの信頼度・好感度が高まるのではないでしょうか。

接遇の要素として挙げると、

といった点になります。

勤務する場所で異なる看護師の接遇

「看護師の接遇」と一言で表しても、」所属する部門や勤める医療機関の診療科、地域によっても接遇に求められる要素が異なります。病棟・外来・クリニック(診療所)を例に、勤務する場所で異なる看護師の接遇を確認してみましょう。

病棟

患者様と毎日のように顔を合わせ、長期間接することが多いため患者様との距離が近くなりがちで慣れが生じてしまいます。距離が近づくことによる「親近感」や「親しみやすさ」を患者様に感じていただくことはマイナスではありませんが、あくまで「看護師」と「患者」の関係であるため、親しみやすさを通り越して「馴れ馴れしい」と感じられる関係にならないよう、接遇面でメリハリを付ける必要があります。(※親しみやすさと馴れ馴れしさの違いをご参照ください)

普段の声かけひとつ取ってみても、患者様のご家族が聞いてどう感じるか、ということを常に念頭に置いて、日頃から言葉遣いに気を付ける必要があります。場合によっては、馴れ馴れしい言葉遣い・対応と捉えられ、ご家族からのクレームにつながってしまうことがあります。

検温や血圧測定など、何か患者様に依頼をする際には、「〇〇さん、いつも申し訳ないのですが」
といったクッション言葉を使うとよいでしょう。(※医療機関で使うクッション言葉については別途参照)

外来

病棟で入院されている患者様への対応と異なり、初めて病院に来られた方、具合が良くなればもう来院されない方も多く、「病院の顔」としても見られるポジションです。対応がよければ「良い病院」、対応が悪ければ「二度と来ない!よくない病院」だと烙印を押されます。また、待ち時間がクレームを左右しますので、丁寧ながらもスピーディな対応が必要です。

業務的で流れ作業という印象を与えないためにも、きちんと目を見て挨拶をする、待合室でお困りになっていないか、具合が悪くなっていないかなど患者様の様子に注意し、患者様の状況に合わせた対応を行える接遇力が求められます。

クリニック(診療所)

初診患者様の場合、また何かあった際にこのクリニックに来たいと思っていただき、再来院いただけることが理想です。家族の具合が良くない際には、印象が良かったクリニックに連れて行こう、と初診の際にも観察をしている患者様がいることでしょう。

そのため、適度な距離感で医師が気付かない点などのフォローが必要となります。ご家族で通われる方なども多いため、家族関係の把握などを会話から引き出す力も求められます。

また、ご案内や医療行為など様々な業務を行い、患者様と接している時間も長いため、常に見られているという意識のもと接遇に取り組むと良いでしょう。

看護師の接遇が原因で起こるクレーム

第一印象や対応など、看護師の接遇が原因で起こるクレームが多いことも、「接遇が看護師にとって重要な理由」です。看護師の接遇が原因で起こるクレームにはどのようなものがあるのでしょうか。

接遇によるクレーム例:病棟

入院されている患者様への接し方が失礼で尊厳を感じられず、そのご家族から不信感を抱かれることによるクレームがよくあります。ご家族がいらっしゃる前で無言で患者様の身体に触れたり、言葉遣いが悪い、というクレームを受けたということをお聞きします。

他に、

といったように、患者様やご家族など相手への配慮が足りない接遇面によるクレームが多いことがわかります。

接遇によるクレーム例:外来

といったクレームが多く、看護師が「忙しい」「余裕がない」ことにより、接遇面まで意識を向けられていないことが原因となっていたり、業務的な対応を取ることにより悪い印象を与えてしまうことが考えられます。

いずれも接遇の基本的なポイントをきちんと意識して実践するだけで印象度が変わるだけに、接遇が原因でクレームを受けるというのは非常にもったいないことであり、医療機関にとっても大きな損失につながる恐れがあります。

逆に、基本的な接遇ポイントだけでも身につけられていれば、クレームを減らすことができますし、患者様の印象度・好感度が変わり、医療機関にとってもプラスの面が大きくなることは間違いありません。

看護師が接遇を身につけることで得られるメリット

看護師が接遇を身につけられると、様々なメリットがあります。私たちが看護部門を対象にした接遇研修会・勉強会でお伝えさせていただいているポイントをご紹介いたします。

接遇で患者様の心をつかめるだけでなく、業務効率も上げられる!

第一印象の良い外見を身につけることで、初めて会った患者様から安心と信頼を得やすくなります。患者様と良好な信頼関係を築くことができると、患者様が不安を抱えていることや症状等について、話してもらうきっかけを作ることができ、クレームを未然に防いだり、本来必要のなかった余計な対応に時間を取られるといったことも減り、接遇を身につけることで患者様への対応だけでなく、看護師としての業務効率を上げられることにもつながるというメリットがあります。

接遇で患者様や働く仲間からの「ありがとう」が増え、働くモチベーションも上がる!

接遇は相手に対する「思いやりの心」を形にして伝えてそれを感じてもらうことですが、どの年代の方にも伝えることができる、とても汎用的で魅力的なものです。
自分がいかに相手のことを思っていても、伝わらなくては意味がありません。相手のことを思って相手のために行った対応が伝わると、相手は自分のために行ってくれたことに対して喜び、お礼を言ってくれることでしょう。「ありがとう」と言われて嬉しくない方はいないと思います。

同じ看護師として行う業務であっても、相手からの反応があり、お礼などのフィードバックがあると、誰かのために働きたいという思いを持つ看護師にとって、大きな「やりがい」になるはずです。看護のプロとしての知識・スキル(技術)を高めることも重要ですが、それらを「ホスピタリティ」の気持ちと合わせて相手に提供することで、より看護師としての仕事の価値が高まり、自身のモチベーション向上にもつながることでしょう。

看護師の接遇を改善して、現場で定着させるためには

看護師に求められる接遇のポイントや重要さを理解した上で、忙しい医療現場で定着させるためにはどのような試みが必要になるのでしょうか。いくつか例をご紹介させていただきます。

朝礼で毎日1つ接遇目標を掲げる

簡単なものからでいいので、まずは意識してやってみること、それを継続すれば自然とできるようになります。1日1つであれば、無理なく取り入れられるのではないでしょうか。

お互いに目標について声をかけ合う

お互いに声をかけ合うことで更に取り組みに対しての意識が高まります。
例えば、入室の際にノックと挨拶をすることを目標として掲げていた際に、「さっき、できていたね!」など声をかけ合えば、相手も見ていてくれたのだと嬉しい気持ちになると思います。
例えできていなくても「私も忘れてしまうから次はやろうね」等と自己反省と啓発により、前向きに取り組んでいくことができます。

定期的に接遇レベルをチェックする機能がある

接遇を通常の業務の中で定着させるなかで大事なことは「仕組み」と「第三者の目」によるチェックだと私たちは考えています。
同じメンバーで働き、患者様も顔なじみとなってくると、見られているという意識がどうしても薄くなりがちです。それを解決するために、定期的に接遇のプロを招いて、現場の接遇面をチェックしてもらうということで緊張感を持たせ、接遇レベルが下がらないようにすることもできます。

医療行為以外のことを同僚や部下に指導しにくいといったこともありますので、直接指導しづらいことや本当は改善をしたい接遇・サービス面の課題も、第三者である外部のプロに相談することで、その場で速やかに解決することができるメリットもあります。

<参考>

まとめ:接遇は、より良い看護を提供するためにある

国家資格を持ち、豊富な知識と技量を持って看護のプロとして現場の最前線で働かれている看護師の方々は、患者様にとってかけがえのない存在であることは間違いありません。ですが、医療・看護のプロであり、優れた技術を持ち合わせていても、「患者様のために」という気持ちが伴っていないと、患者様に誤解されて伝わってしまうこともあります。

医療行為が最優先であることはもちろんですが、看護のプロフェッショナルを目指されるのであれば、患者様のために身につけられた技術や看護行為が、患者様のためにという思いとともに伝わって初めて最良の看護サービスが提供できるのではないでしょうか。

そのためには、看護師に求められる接遇を身につけて、より患者様満足度を高められる看護師を目指していただきたいと思います。

看護師の接遇に関する記事の執筆者

|医療接遇コンサルタント:乾 裕子

大学卒業後、国内大手航空会社(日本航空)に客室乗務員として勤務。
「看護師の仕事に憧れた」経験と「病院で命を救われた」自身の体験から、医療業界への恩返しを行うため、航空業界で身につけた「おもてなしスキル」や「人材育成・教育手法」を病院・クリニックに提供している。

300床以上の総合病院から地域中核病院、クリニック、歯科医院、調剤薬局まで幅広い医療機関の組織体制と職種に合わせた研修や接遇コンサルティングサービスを提供中。

詳しいプロフィールや実績はこちら⇒

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